最強キャラ その9
孫悟空
登場作品 ドラゴンボール
バトル漫画の代表格「ドラゴンボール」
バトル漫画の代名詞といえば、やはり「ドラゴンボール」が挙げられるだろう。1984年から1995年まで週刊少年ジャンプで連載されたこの超人気漫画は、原作終了後もその人気は衰えることを知らない。2015年には新シリーズ「ドラゴンボール超」が開始され、2024年現在では「ドラゴンボールDAIMA」が放送中である。そして、ドラゴンボールシリーズの象徴的な主人公が孫悟空なのだ。
孫悟空の「強さ」のイメージ
ドラゴンボールといえば、作品の評価だけでなく、登場キャラクターの「強さ」も大きな魅力の一つである。特に孫悟空は2017年に放送された「昭和vs平成 アニメ&特撮&漫画 ヒーロー・ヒロイントップ20」という番組で、昭和・平成の両世代から「ナンバー1の最強ヒーロー」に選ばれた実績がある。
悟空の「強さ」を感じさせる要素
では、なぜ悟空はここまで「強い」と思われているのか?もちろん、原作者である鳥山明氏による作画や演出が卓越していたことも理由の一つであるが、個人的には、それ以上にアニメ版の演出が大きな役割を果たしていると考えられる。
空中戦闘シーンのスピード感、迫力ある効果音、そして戦闘中に流れる印象的なBGM。これらが相まって、視聴者は「こいつら強い!」という印象を視覚と聴覚で直感的に理解することができた。文章でキャラクターの強さを丁寧に説明する方法もあるが、やはり描写の力で強さを伝える方が説得力があるのだろう。
「最強」の評価における孫悟空の立ち位置
孫悟空は一般的な評価において、あらゆる創作物の中でもトップクラスの最強キャラクターとされている。しかし、ネット上で行われる「不特定多数の作品キャラを対象にした強さ比べ」では、彼の評価はやや異なる。悟空は作中で星や宇宙を破壊しかねないレベルの戦闘を繰り広げているが、これらの議論では「平均以上の評価」を得つつもトップ争いに入れない。
その理由の一つは、悟空が「破壊規模」で上位のキャラクターと比べて劣る事だ。また、前回紹介したバイオライダーのように、規模は小さくてもどんな相手とも渡り合える万能な能力を持っているわけでもない。こうした要因から、悟空にとって「強さ比べ」の世界は厳しい戦いとなっている。
さらに、この界隈には「マイナー作品の強キャラを知っている俺カッケー」という層も存在する。そのため、作品としてメジャーで、世間一般にも最強キャラとして認知されている悟空は、しばしば「自分の推しキャラの強さを引き立てるための格好のターゲット」にされることがあった。やってる側は面白がっていたようだが、個人的このような行為は決して誇れる態度とは思えない。
それでも、近年のドラゴンボールシリーズでは、悟空の新たな形態が注目を集めていた。昨年から一昨年にかけては「宇宙樹悟空」(ドラゴンボールスーパーヒーローズ)や「ゴッドフュージョン悟空」(ドラゴンボールZ・ザ・リアル4-D at 超天下一武道会)、さらにはネットミームから誕生した「ドリップ悟空」などが、一部の層から最強キャラとして高い評価を受けていたのである。
世間一般から「最強」と名高い孫悟空。しかし、実は作品内ですら最強ではない。原作ではベジットやアルティメット悟飯、魔人ブウ。また、『ドラゴンボールGT』では超サイヤ人4ゴジータや超一星龍が、『ドラゴンボール超』では全王や大神官、天使、破壊神といったキャラクターが悟空を凌駕する存在として描かれている。
どのシリーズでも必ず悟空より強いキャラクターが登場しているにもかかわらず、なぜ彼が「あらゆる漫画、アニメ、特撮の中で最強」と評価されることがあるのか?それは、悟空が持つ「主人公」としての圧倒的な魅力に起因しているのかもしれない。
悟空は、純粋な心とひたむきな努力、仲間と共に戦う姿勢など、強さだけでは語れない特質を持っている。こうした要素が、作品外でも「最強」というイメージを広め、彼を象徴的な存在としているのであろう。
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